最終回表の守りであった。
お互い小刻みに点を取りつ取られつのシーソーゲーム、
我がチームは1点ビハインド、1アウト1、3塁。
バッターは9番。
9番を打ちとっても2アウト、1番打者は敵チーム一の好打者。
これ以上点差を広げられたらまずいんだけど絶体絶命である。
そして9番バッターの打球が1塁側ベンチ手前へフラッとあがる。
キャッチャー俺。
ダッシュ→スライディングキャッチ!
しばらく(1~2秒ぐらい)スライディングした態勢でいると
志村、後ろ後ろ!
とチームメイトのみんな。
3塁ランナーがタッチアップしてホームへ突っ込んでくる。
スライディングの際どこか痛めた若しくはあの態勢と距離なら
自分のほうがホームまで早いと思ってくれたようだ。
素早く起き上がりこちらもダッシュ→何とかホーム上でタッチアウト→チェンジ。
追加点を許さず最終回の攻撃にて我がチームのサヨナラ勝ち。
試合終了後チームメイトが
「今日の殊勲者は松本君ですな、あの演技のおかげでホームタッチアウト、
ダブルプレーで相手の攻撃を断ち切れたのは大きいよ!」
と言ってくれ、他の人も、
「役者やのぉー。」
とか言ってくれるので、
「いやぁ、あれは自分のスライディングキャッチの余韻に浸っていただけで
3塁ランナーのことなんか全然頭の中になかったですな」
という本当のことがどうしても言えなかったよ!(秘)