メジャーに上がってまだ数勝しかしていない若者、アスレチックスの
ダラス・ブレーデン投手(26)。
彼は4月22日、大リーグ一の有名チーム「ヤンキース」との一戦で
有名チームのスーパースターであるAロッドに
「マウンドから離れろ!」
と怒鳴りつけた。
Aロッドが3塁から1塁に戻るときマウンドを横切って戻ったからである。
「ピッチャーのマウンドはいわば聖域。誰もそのマウンドのラバーを
踏むことを許されないというのが“アンリトン・ルール”(野球界における暗黙の掟)だ。
俺がサイ・ヤングだったとしても、25人ロースターの最後の男だったとしても、
いったんマウンドでボールを手にしたら、ここは俺の場所。誰も踏みつけにできない。」
とのことである。当然そんなルールもなくAロッドが
「ヤツにはマウンドから離れろと言われた。少し驚いたよ。
いったい何が悪いというんだ? しかもメジャーでまだ数勝しかしていない
投手に言われるとは思ってもみなかった。おかしな話だ」
と言うのも無理ないことではある。
がしかし、スーパースターでもかけだしでも勝負の世界では対等であり
強烈な矜持をスーパースターに叩きつけたことは少なからず胸のすく思いをした。
そして5月11日、100年以上の大リーグの歴史で18人しか達成したことのない
完全試合を達成するのであった。
「あのAロッドに噛みついた元気な若造」
から
「スーパースターにかみついた勇気ある若者のエピソード」
に表現は変わっていた。
本人は何も変わっていないのに。
どれがダラスかわからんですな・・・・・