卓球の張本選手快挙ですな!
彼に関する報道の中で「チキータ」という
技について分かりやすく書いた記事があった。
卓球で最も大きい得点パターンはスピードボールを
打ち込むことだけど普通に打ったら当然まっすぐ飛んで
仮にネットと同じ高さのボールを打ったら相手コートに
なかなか入らない。そこでボールにトップスピンをかけて
空気抵抗によりボールが沈むように打つのがドライブである。
ただ、ボールを斜め上に激しく擦り上げる打法であるため
打つ前にラケットを卓球台よりも下げなくてはならない。
なので卓球台の上で2バウンドするような短いボールだけは
卓球台が邪魔になってドライブを打つことができない。
この短いボールをドライブで返す技が15年ぐらい前に
登場し、ここ最近進化した技「チキータ」である。
それまではバックより強烈なドライブが打ちやすい
フォアを意識しながらまた相手に強烈なドライブを
打たせないよう短いボールを駆使した組み立て、
駆け引きだったんだけど、短いボールをドライブで
しかもバックハンド(でしかできない:註1)で
返す技術が登場、進化したものだからここ数年の
卓球は卓球が始まって100年以上培われてきた
戦術が根底から覆されてきている。
だってフォアで打てるのをわざわざ回り込んでバックで
打ったりとか強打を避けるための短いボールが危険な
ボールになったり今までの常識を真裏にする力を持った技
チキータを中心とした戦略に変わっていき、チキータを
操れない選手は今後大きなハンディを持つことになって
いるのかもしれない。
そしてこうした現代卓球の背景を知っておけば
より卓球観戦が楽しめることは間違いないのである。
関節がどうなっているのかわからんですな!(驚)
註1 肘を高く上げて、打つ前にラケットの先端が時計の
針にして4時くらいになるまで引き(右利きの場合)、一気に
12時くらいまで旋回させて打つことでドライブをかける打法を指す。
これは肘の構造上バックハンドでしか打てない。ラケットの
先端を270度も上方に旋回させながらボールを上方に擦ることは
フォアハンドでは無理である。