先日、私が仲介させていただいたお客様から「一席設けるのでどうですか?」との
ありがたいお誘いを受けた。私が誘わなくてはならない立場なのにと恐縮しきりで
その割には二つ返事で「行きます!」と力強く答えた(苦笑)。
お誘いいただいた会社の社長さんと従業員の方お2人、土地家屋調査士の先生と私の5人で
いかにも魚とお酒がおいしそうな店構えの割烹に足を入れる。
小ぢんまりした個室でおいしいお酒と料理を堪能させていただきながら社長は従業員の方々の前で
私を持ち上げる。全く立場が逆である、しっかりしろ俺って感じですな・・・・
従業員の方々の目が好意的になってくるような気がする。その目に危うくうっとりしそうになる俺・・・
ほんとに頼むからしっかりしてくれって感じである。
お酒と料理をたっぷりいただきお店を出る頃にはすっかりいい気持ちになっている俺・・・・
店を出て数十メートル、靴底に違和感を感じる。
「まさか・・・・・・・」
「またぁ?(ブルー○イのCMの矢沢○吉風に)」
過去の苦い経験がよみがえる。(2007/9/14・2008/2/7日記参照)
「こんな街中で?」
「すぐ横には社長が・・・・」
「靴脱ぐか?」オイオイ
一瞬の間で交錯する思考。
おそるおそる嗅覚と視覚で確認する。果たして・・・・・無臭である。しかし油断は禁物だ!
意を決し更に近づく・・・・・・
靴底が取れてるやんか!
正確に言えば3分の2ぐらい取れていて残りの3分の1のくっついている部分を支点にぶらんぶらん
宙をさまよっている状態なのである。
「まずい!まずすぎる!」
支点となっている残3分の1にはかなりの負荷がかかっていることは容易に予想でき
靴底が全て吹っ飛ぶことは時間の問題であることも容易に予想できるのである。
「落ち着け俺」
しかしこれらのことは社長と話しながら行われている思考と確認行為である。
案外落ち着いているのかもしれない。伊達に不惑を迎えたわけではないのである。ナンノコッチャ
とりあえず次の店までどうたどり着くかである。
支点に負荷がかかりこれ以上状況が悪化するのは避けたい。
しかしそこに気が行き過ぎると歩き方が尻に一物を挟んだような(ドンナヨウヤネン)歩き方になる。
相反する二つの事案を纏め上げることは私の職業である不動産仲介業と相似した作業であり
私が日常行っている作業であり私なら何とかするはずである(全然落ち着いてナイデスナ・・・)
はっきり言って犬の糞を踏んでいたほうがよかったかもしれない!
問題は山積している。
好意的な視線を感じる従業員の方々の前で告白するかどうか。
瞬間接着剤と輪ゴムの併用で応急処置をしたいところであるが次の店に果たしてあるのか・・・
告白しないのであれば店の人に接着剤を気づかれないように頼めるのか、
席を立って接着剤を買いにさまようか。
そもそも隠し通せるのか。
それ以前に歩き方はおかしくないのか。
いっそ帰ろうか?